バスケットボールのパリ・オリンピック(五輪)日本代表、八村塁(米プロNBAレーカーズ)が日本協会の強化方針や代表のトム・ホーバスヘッドコーチ(HC)の続投を批判した問題について、ともに五輪を戦った渡辺雄太(B1千葉J)が28日、「僕はトムが日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいと思っていますし、これは僕だけじゃなくて、今、代表に関わっている選手やスタッフのほとんどはそう思っているんじゃないかな」と発言した。
八村は今月13日にあったNBAの試合後の会見で、日本協会の強化方針をビジネス優先と批判。ホーバスHC続投にも苦言を呈していた。日本協会の渡辺信治事務総長は20日に報道陣の取材に応じ、「発言を非常に重く受け止めている」などと語った上で、ホーバス氏を支える方向に変わりはないとしていた。
その後、八村は23日の試合後に協会やHCを再び批判。「プレーヤーファーストの精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくない」などと不信感を示していた。
渡辺は28日、Bリーグ・オールスター(2025年1月)の選手発表会見後、一連の問題について報道陣の前で口を開いた。八村がこうした批判を展開し始めて以降、選手が公の場で意見を表明したのは初めて。
NBAで昨季まで6シーズンにわたりプレーした渡辺。八村とは「メディアの前で話すことも含めて事前に連絡した」とし、「『渡辺対八村』みたいな構図をつくるのだけは絶対にやめてもらいたい」と断った上で思いを語った。
渡辺は、八村とホーバスHCの関係が昨夏のワールドカップ後から悪化していたと明かした。
きっかけは、ホーバスHCが会見で語った「代表に参加したいなら、彼から連絡をしてきてほしい」「八村が代表に参加できなくても、今のチームで五輪を勝つ自信がある」といった趣旨の発言だったという。
「あの件がきっかけで、(2人の関係が)うまくいかなかった。だから百歩譲って、(八村)塁がトムのことをよく思わないっていうのは、僕たち選手も、トムもおそらく理解している部分なんじゃないか」
その上で、「トムがよく思われていない部分や、そういう記事が出たり、全部がうそみたいな記事が出てしまって、それを見る人はやっぱどうしても信じてしまう。そこは僕もすごく不本意だ」と強調した。
八村とHCの今後については、「僕ももちろん、日本協会もそうですし、彼ら2人がより良い関係を築いていけるように、コミュニケーションをもっと活発に取っていけるような状態に持っていきたいなっていうのは思っています」と話した。
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