バレーボール男子日本代表の新監督に就任することが決まったロラン・ティリ氏(61)が2日、オンライン会見し、2028年ロサンゼルス・オリンピック(五輪)でチームを「表彰台に導く」と誓った。

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 21年の東京五輪で母国フランスを初の金メダルに導き、現在はSVリーグの大阪Bを率いるティリ氏。「大きな名誉と責任を感じている。高い技術力を持った代表チームに、私の監督経験を掛け合わせることで新たな力が生まれ、五輪に向けて飛躍できると思う」。任期はロサンゼルス五輪後に開かれるアジア選手権まで。SVリーグのシーズンが終わる来年5月頃に大阪Bの監督を退任した後、正式に代表監督に就任する。

 日本はメダル獲得が期待されたパリ五輪で2大会連続の8強に終わった。準々決勝のイタリア戦では2セットを先取してマッチポイントを握りながらも逆転負けした。ティリ氏は連覇したフランスと比較し、「経験の差に尽きる。日本の選手は重圧の中で、伸び伸びとプレーする段階になかった」と分析。ロサンゼルス五輪までの国際大会すべてで表彰台を目指すとし、「厳しいプレッシャーの中で戦い、経験と勝利を重ねることで五輪での表彰台が見えてくる」と話した。

 サーブとレシーブを大事にするフィリップ・ブラン前監督の基本路線を継承しつつ、新戦力にも目を向ける。「チームに年齢の制限はない。選考対象は広くして、最高のチームをつくるのが私の使命」と口にした。

 日本協会の川合俊一会長は、選考委員会で複数の候補者の中から全会一致でティリ氏を選んだと明らかにした。「世界最高の監督が日本のチームの監督をやっていて、日本の選手の気質や風土に慣れている。こんなに都合の良いことがあっていいのかというくらいの奇跡。五輪までに世界でメダルを取れるチームに引っ張り上げてくれることを期待している」と語った。

 ロラン・ティリ 1963年、フランス出身。現役時代は同国代表で五輪に2度出場した。引退後はチェコ代表などの監督を務め、2012年にフランス代表監督に就任。15年と17年のワールドリーグ(現ネーションズリーグ)を制覇し、21年の東京五輪で初の金メダルに導いた。20年からパナソニック(現大阪B)を指揮している。

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