青山高治 キャスター
プロ野球セ・リーグは混戦ですね。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
首位から6位まで3.5ゲーム差。本当にどこが抜けてもおかしくないぐらい。そこに食らいついていく戦い方をしてくれています。
青山高治 キャスター
各チームの連勝・連敗でどんどん順位が入れ替わっていく展開となっています。この週末の広島カープです。阪神との2連戦で3位に浮上し、マツダスタジアムで中日と戦いました。
5月10日(金)広島 vs. 中日
打線の入れ替えが功を奏し、阪神に2連勝を飾ったカープ。3連勝を狙うこの日の先発は、今シーズン地元初勝利を目指す アドゥワ誠 。今シーズン初のスタメンマスクをかぶった 石原貴規 とのタッグでコントロールよく、1回を無失点で抑えます。続く2回は、バッター3人に対して3球ずつ、すべてフライアウトに仕留めます。
テンポよく投げ進めていたアドゥワですが、4回、菊池涼介 の懸命な守備もわずかに送球が間に合わず、先頭打者の出塁を許すと、昨シーズン、カープに対して3本のホームランを打っているカリステに一発が飛び出し、先制点は中日に挙がります。
その直後、カープの反撃は菊池から。強い打球でサードの横を抜くヒットを放つと、2アウトとなって、2試合連続でスタメン起用の 末包昇大 。「昨シーズンのくやしさをすべて晴らす」と意気込む1軍の舞台。「ファームの最後の試合で得た感覚をそのまま出すことができた」と、初球をとらえた当たりはピッチャー強襲。グラブをはじき、チャンスを広げます。
天谷宗一郎 さん
「積極的にいったところが、このヒットにつながっています」
続くのは、前カードで2年ぶりの一発を放った 中村健人 。中日先発・松葉貴大 対策の “早いカウントで来る緩い球を狙う” チーム方針をみごと体現しました。セカンドランナー・菊池が俊足を飛ばしてホームへ還り、まずは1点を返します。
天谷宗一郎 さん
「この打席もそうなんですけれども、中村健人選手、ずっと状態がよかったです。リラックスして打席に入れているんじゃないかと思います」
さらに若鯉が続きます。矢野雅哉 は詰まった当たりが、絶妙の場所にポトリ。2アウトからの3連打であっという間に同点に追いつきます。
天谷宗一郎 さん
「そうですね。バットの角度がよくなっているからこそ、ヒットゾーンに飛ぶんです。技術のたまものだと思います」
さらに5回、秋山翔吾 のヒット、菊池のフォアボールでランナー2塁・1塁のチャンスを作ると、4番に起用された2試合すべてで決勝点を挙げている 小園海斗 。得点圏打率リーグ2位(試合前.423)の頼れる男が、タイムリーを放ち、勝ち越しに成功します。
天谷宗一郎 さん
「コンパクトに振っていますし、ベテラン2人が作ったチャンスを若手が還す。チームがのってきますよね」
勝利投手の権利を得たアドゥワは、いつものポーカーフェイスで落ち着いたピッチング。リーグトップの8ホームランを放つ 細川成也 をフォークで空振り三振に仕留めると、後続2人も凡打に打ち取り、「点を取ってもらった後にしっかりゼロでいけたのはよかった」と、この日、3度目の三者凡退でリードを守ります。
天谷宗一郎 さん
「試合展開も頭に入れながら投げ切れていたんじゃないかなと思います」
6回、カープはさらに打線がつながります。まずは1アウトから矢野。この日の早出練習から取り組んだバッティングがさっそく実を結び、4月7日以来のマルチ安打を放ちます。
さらに前の打席でもう少しでホームランというフェンス直撃のヒットを放った石原。チーム10本目のヒットは、巡ってきたチャンスをしっかりものにする2年ぶりのマルチヒット。
天谷宗一郎 さん
「すばらしいです。打席数は少ないんですけども、しっかりと与えられた場で結果を残していますから。いい準備ができている証拠です」
絶好の得点のチャンスを作ると、カープ首脳陣は早めの決断。“代打の切り札”・松山竜平 がコールされます。追い込まれてからの4球目をライト前へ。ここぞの場面でやはり頼りになります。さらにランナー・矢野は、赤松真人 コーチのゴーサインで全力疾走でホームへ。
松山のバット、矢野の脚、赤松コーチの判断が見事に活きたチームプレイで追加点を挙げます。
天谷宗一郎 さん
「ナイス。本当にカープらしい攻撃ができますし、さきほどとは逆。若手が作ったチャンスをベテランが還す。すごく見ていて、わくわくする試合でした」
2点リードしたカープは、ここから盤石の勝ちパターンを投入。まずは7回、矢崎拓也 が無失点投球を見せると、8回は登板数リーグトップの 島内颯太郎 が三者連続三振でぴしゃり。
天谷宗一郎 さん
「圧巻のピッチングでしたよね。なかなか疲労もあると思うんですけど、しっかりと自分の役割を果たしてくれました」
8回にはさらにダメ押しとなる2点を追加し、勝負あり。3連勝のカープは、4月20日以来の貯金生活となりました。(広島 6-2 中日)
5月11日(土)広島 vs. 中日
天谷宗一郎 さん
「これで九里投手の気持ちも楽になりますよね。會澤のナイスボールでした」
その後、3回を3者連続三振に仕留めるなど、5回まで無失点の好投を見せていた九里でしたが、6回。2アウト・ランナー2塁・1塁とピンチを招き、打席には5番・中田翔 。ストレートをフェンスまで運ばれて走者一掃のタイムリーツーベースで先制を許します。
天谷宗一郎 さん
「3番・4番をアウトにとっていただけに粘り切ってほしかったんですけども、責められないですよね、6回2失点ですから」
九里亜蓮 6回 球数86 被安打3 奪三振5 失点2
九里はこの回で降板。打線の援護なく、今シーズン初勝利はまたしてもお預けとなりました。
一方、打線は、中日投手陣を相手にヒット3本と得点を奪うことができず、今シーズン、7度目の完封負けで連勝は3でストップしました。(広島 0-4 中日)
5月12日(日)雨天中止
「母の日」、ピンクのグッズを身につけ、練習する選手の姿も。残念ながら試合は、今季5度目の雨天中止となりましたが、秋山翔吾 選手がひとり親家庭の親子を招待し、触れあう一幕もありました。
◇ ◇ ◇
青山高治 キャスター
1勝1敗と雨天中止という内容でした。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
うーん、勝ち切って2連勝してほしかったなというところもあるんですけども…
青山高治 キャスター
阪神に連勝して、いい流れもあって…
天谷宗一郎 さん
そうなんですよ。あと、母の日にプレーしてほしかったです。ただ、アドゥワ投手は本当によかったです。落ち着いて投げていましたし、先制点は取られましたけども、すぐ取り返した。そこからしっかり粘り切ったところで勝ち星がついてくるピッチングをしてくれています。
青山高治 キャスター
あとは九里投手…
田村友里 キャスター
ああ。勝ってほしい。
青山高治 キャスター
開幕投手、九里投手。早く!
田村友里 キャスター
いい投球はされているんですけど、打線がつながらない。
天谷宗一郎 さん
そうですね。そこがかみあわない。先週、大瀬良投手が今シーズン初勝利してからグググッとのっていけたと思うので、あとは九里投手が初勝利を挙げれば、もっとチームは乗っていけるんじゃないと思います。
青山高治 キャスター
ずっとクオリティースタートを作っているんですけどね。
天谷宗一郎 さん
降りた後のベンチの九里投手を見ると苦しくなるくらい。ただ、あれぐらいのピッチングをしてくれたらすぐに勝てると思いますので、めげずに前を向いてがんばってほしいと思います。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。