信越化学工業は17日、最大1000億円の自社株買いをすると発表した。発行済み株式(自社株を除く)の1.1%にあたる2200万株を上限に買い付ける。取得は20日から11月29日までで、取得した全株を消却する。資本効率を高め、株主還元を厚くする。
信越化は2024年3月期に計1080億円、23年3月期に計2070億円の自社株取得枠を設定しており、取得枠が1000億円以上となるのは3年連続だ。堅調な業績を背景に24年3月末の現預金は1兆6989億円と1年前より17%増えた。自己資本比率は24年3月末時点で83%と高く、株主還元の余地は十分にある。
25年3月期の通期業績や配当の会社予想は未定としている。17日時点の市場予想の平均(純利益が5775億円、1株あたりの配当は114円)を使って計算すると、配当と自社株買いをあわせた総還元額が純利益に占める割合は約56%になる。
斉藤恭彦社長は4月25日の決算説明会で「自己資本利益率(ROE)から資本コストを引いたエクイティスプレッドを強く意識し、資本効率を高める」と述べた。自社株の取得については決算短信などで「適宜実施の必要性を判断する」との方針を開示している。
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