名古屋鉄道は30日、ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(転換社債=CB)で500億円を調達すると発表した。名古屋駅周辺の再開発事業を見据え、長期資金を確保するのが狙い。一定期間後は早期償還ができる条項も盛り込み、将来の資本増強もにらむ。
米国を除く欧州やアジアなどの海外市場で募集する。償還期日は250億円が2033年6月、残り250億円は34年6月とした。調達資金の230億円は沿線駅周辺の再開発など不動産関連投資、70億円は駅機能の強化など鉄道関連投資に充てる。残額は26年3月期までに期限を迎える社債や借入金の返済資金にする。
29年3月までは株価が転換価額の130%を一定期間超えて推移しない限り、投資家は株式への転換を請求できない条項を付けた。希薄化懸念を抑え、既存株主に配慮する。29年4月以降は株価が転換価額の120%を一定期間にわたって超えれば早期の償還が可能になる条項も盛り込んだ。
名鉄は名古屋駅の再開発事業計画の方向性を25年3月期中に示すとしている。早期償還条項の背景には、再開発の本格化で資金需要が見込まれる29年以降を見据え、資本増強を促す狙いがある。
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