米配車大手ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は3日、東京都内で記者会見し、タクシー事業者以外の参入を巡り議論が続く「日本版ライドシェア」について、「(全面解禁されれば)日本のライドシェア市場はいずれ世界トップ10に入ると確信している」と期待感を示した。日本での参入には「機会ができたら、リーダーとしてのポジションを取りたい」と意欲を見せた。
日本版ライドシェアは、一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶサービスで、4月から東京23区や京都などの一部地域で始まった。ウーバーなどの配車アプリを使って車を呼べるが、海外とは異なり、運営主体をタクシー会社に限定しているほか、タクシーの不足状況に応じて稼働できる時間帯や地域が限られるなど制約は多い。
コスロシャヒ氏は、現行制度で認められているタクシー会社による雇用だけでなく「業務委託契約で柔軟に働けるようになれば、ドライバーになりたいと考える人が大幅に増え、移動の足不足解消につながる」と指摘。時間や場所、台数などの制限は「運用が複雑。撤廃を検討すべきだ」と訴えた。柔軟な価格設定を許可することで「乗客の信頼性が向上し、ドライバーやタクシー会社の収益も増加する」と提案した。
日本政府に対し「顕在化している制約に迅速に対処することを期待している」と求めたうえで、「日本の交通課題の解決に全面的に協力し、貢献することを約束する」とも述べた。
また、「ウーバーの安全機能の豊富さは世界トップクラス。日本の基準に合わせて柔軟に調整していく」と強調。日本市場の将来性については「自家用車の所有率が高い地方や郊外への波及効果も非常に大きい。積極的に地方の便利さ、豊かさに貢献したい」と語った。【佐久間一輝】
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