会談する、新潟県柏崎市の桜井市長㊧と森下内閣府官房審議官(6日、市役所)

新潟県と同県の柏崎市、刈羽村が要望してきた原子力災害発生時の避難路整備について、国の予算で整備する方針が固まった。花角英世知事が6日に都内で伊藤信太郎原子力防災担当相から回答を受けたほか、柏崎市と刈羽村には森下泰内閣府官房審議官が訪れて伝えた。同市の桜井雅浩市長は「誠実かつ実質的な回答」と評価した。

新潟県と両市村は2023年7月、東京電力ホールディングス(HD)柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の重大事故に備え、北陸自動車道へのスマートインターチェンジの整備やトンネルの新設など5つの項目を国に要望した。国は全項目について、国の予算を確保して調査や整備を進める旨を6日に伝えた。

桜井氏はこのうち、小村峠のトンネル整備について「30年来の念願。市民の避難経路を考えると非常に大きい」と森下氏に述べた。桜井市長は再稼働に前向きな姿勢を示していたが、「国による避難路整備の約束が前提」との立場だった。面会後、報道陣に桜井氏は「(再稼働同意に向けた)大きな要素が一つ満たされた」と話した。

併せて同日午前の定例記者会見で桜井氏は、7月までに東京電力HDの小早川智明社長と面会する方向で調整していることを明らかにした。19年に要望した、廃炉計画の明確化や地元企業との連携強化など7つの要望に対する東電側の取り組み状況を確認する考えだ。

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