佐渡汽船のカーフェリーに積層するコンテナ。中に格納するパレットは常温、冷蔵、冷凍に対応できる(21日、新潟港ターミナル)

佐渡汽船(新潟県佐渡市)は新たな保冷輸送サービスを始める。保冷技術開発のアイ・ティー・イー(東京・千代田)と連携し常温、冷蔵、冷凍の異なる温度帯の商品を一つのコンテナ内に混載し海上輸送する。新潟―佐渡間で高効率なコールドチェーン(低温物流)を整え、物流の活性化につなげる。

佐渡汽船と佐渡汽船運輸、アイ・ティー・イーが連携し、7月から本格的にサービスを始める。新潟―両津間の保冷輸送はこれまでドライアイスを使った保冷コンテナかトラックによる輸送のみだった。冷凍、冷蔵それぞれ別のコンテナやトラックが必要で、ドライアイスの二酸化炭素排出や「2024年問題」への対応が課題となっていた。

アイ・ティー・イーの高性能保冷剤を使った冷凍用パレット(写真㊧)と冷蔵用パレット。1つのコンテナにこのパレットを4台格納できる(21日、新潟市)

新サービスでは、1つのコンテナ内に4台のパレットを格納する。パレットは冷気を逃がさない箱形になっており、中にはアイ・ティー・イーが開発した繰り返し使える高性能保冷剤が入っている。冷却しておいた保冷剤を冷蔵の場合は8枚、冷凍の場合は12枚入れることで同じコンテナ内でもパレットごとに別々の温度帯を維持しながら輸送できる。

アイ・ティー・イーのパンカジ・ガルグ最高経営責任者(CEO)は「2024年問題への対応やCO2の削減にもつながる。物流が活発になれば、佐渡島の経済や人流が活性化するきっかけにもなる」と話している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。