トラックの側面を広げると約10メートル四方の研修スペースになる(1日、東京都江東区)

鹿島は1日、移動式の安全訓練施設の運用を始めたと発表した。事故を体感する設備を中型トラックに載せ、工事現場で訓練できるようにする。人手不足が深刻になる中、現場の建設技能者が安全研修を受けやすくする。

2024年度に首都圏で運用し、25年度にも全国に広げる。トラックの側面を広げると約10メートル四方の研修スペースになる。過去に鹿島の現場で起こった死傷事故を基に9種類の装置を用意した。感電や機械への巻き込まれなどを疑似体験できる。同時に約20人が研修を受けられる。

仮想現実(VR)ゴーグルをかぶって転落事故を体感する装置は、映像と連動して土台が動く。足元が揺れることで転落の危険をより感じられるという。

自身が転落する映像を見る際に足元が揺れることで危なさを感じる(1日、東京都江東区)

建設業での労働災害は減少傾向にあるが、新規入職者の教育や定期的な安全意識の啓発は欠かせない。鹿島安全環境部の山口盛治担当部長は「事故の危険は自ら経験することがまれで、体感してもらえればより慎重になってもらえる」と語る。移動式の安全訓練施設は、清水建設など建設大手で導入が広がっている。

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