株主総会で株主提案は否決された

京成電鉄が6月27日に開いた定時株主総会で、保有するオリエンタルランド(OLC)株の一部売却を求める株主提案への賛成比率は29.89%だった。英ファンドのパリサー・キャピタルが保有比率削減を定款に明記するよう提案していたが否決されていた。

3日に関東財務局に提出した臨時報告書で明らかになった。それぞれ議決権ベースの賛成は42万8303個、反対は98万7631個、棄権は1万2063個だった。

パリサーは2021年に京成株の取得を始め、現在2%弱を保有してる。23年10月から京成に対して、OLCへの出資比率を議決権ベースで15%未満に削減する要求を始めた。今回の定時株主総会はパリサーが対外的な主張を始めて以降、初めての総会だった。

パリサーは、京成が保有しているOLC株の簿価を2000億円ほどと評価しているが、時価換算すると1兆600億円ほどの価値があると指摘し、売却して得られる資金を他の成長投資に振り向けるべきだと主張している。

米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラス・ルイスは京成のほかの株主に対し、パリサーの株主提案に賛成するよう推奨していた。一方、京成の取締役会は「OLC株は中長期的な企業価値向上のために必要な原資」として株主提案に反対する意見を表明していた。

パリサーは総会前に日本経済新聞の取材に応じ、創業者のジェームズ・スミス氏は株主提案が否決されても京成株の保有を続ける意向を示している。

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