企業向け通販が好調で7期連続の営業増益を見込む

アスクルは3日、2025年5月期の連結営業利益が前期比6%増の180億円になりそうだと発表した。営業増益は7期連続となる。主力の企業向け通販が好調に推移するほか、商品の値上げなどで採算も改善する。新たな物流センターの立ち上げに向けて増える費用を吸収する。

売上高は6%増の5000億円、売上総利益は8%増の1267億円を見込む。純利益は112億円と42%減る見通しだ。前期に特別利益が膨らんでいた反動が出る。24年5月期は17年に起きたアスクルの物流施設火災に関連する損害賠償金118億円を受け取っていた。

25年5月期の営業利益は売り上げ増が62億円の増益要因になる。主力の企業向け通販では飲料水などの生活用品や工具・消耗品類が堅調に推移すると見込む。医療向け商材も新型コロナウイルス禍後の販売落ち込みが一巡する。

利益率の改善も営業利益を16億円押し上げる。6月には主力商品のコピー用紙を値上げするなど価格改定を進めている。26年5月期に稼働を予定する埼玉県の新物流センターの地代家賃などが営業利益を31億円押し下げるが、吸収する。

同日発表した24年5月期連結決算は、売上高が前の期比6%増の4716億円、営業利益は16%増の169億円だった。企業向け通販では水やティッシュペーパーなど生活用品の出荷が好調だった。23年10月末に無料配送の条件を購入額1000円以上から2000円以上に変更し1箱あたりの売上単価も上がった。

個人向け通販「ロハコ」では親会社のLINEヤフーが販促費を絞った影響で通期の売上高が22%減の361億円だった。直近の24年3〜5月は前年同期比微増の97億円と7四半期ぶりに増加に転じた。

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