日本半導体製造装置協会(SEAJ)は4日、日本製の半導体装置の2024年度販売が前年度比15%増の4兆2522億円となる見通しだと発表した。1月時点の予想を約2200億円引き上げた。AI(人工知能)普及によってデータセンター向けの半導体増産の恩恵を受ける。
SEAJの河合利樹会長(東京エレクトロン社長)は4日の記者会見で「AI関連として画像処理半導体(GPU)と広帯域メモリー(HBM)の投資も好調だ」と話した。中国市場に関しては「製造装置の自給率は十分ではないため(日本製装置の)堅調な需要が続いている」と指摘した。
25年度の販売は前の年度から10%増の4兆6774億円、26年度はさらに10%増の5兆1452億円を見込む。24年度に4兆円台に初めて到達し、26年度には5兆円を突破する。
足元のAI半導体の需要はデータセンター用が中心で、今後はAI機能付きのスマートフォンやパソコンの販売量が増える。河合氏は「27年には3〜4割のパソコンやスマホにAIが搭載される。(半導体装置の需要底上げ効果は)サーバーよりも大きい」と話した。
23年度の販売実績は5.9%減の3兆6976億円だった。メモリー市況の悪化によって装置需要が低迷した。ただ、1月時点よりも中国の需要が上振れ、従来予測の3兆1770億円を上回った。
日本市場向けの半導体装置の販売額は、24年度は前年度比17%増の1兆3375億円、25年度は30%増の1兆7388億円となる見通しだ。先端半導体の量産を目指すラピダスや、熊本県に進出した台湾積体電路製造(TSMC)などの投資拡大が寄与する。
ディスプレーの製造装置の販売額は、24年度は30%増の3351億円になる見通しだ。韓国サムスン電子と中国京東方科技集団(BOE)による次世代の有機ELパネル工場の建設が始まることで、ディスプレー装置にも恩恵が広がるとの見方を示した。25年度は3686億円と10%増を見込む。
同協会は会員企業の受注動向を踏まえ毎年1月と7月に数年間の販売額予測を発表している。
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