ヤマハ発動機はアルミ加工に水素ガスを使う実証を始める(実証施設のイメージ)

ヤマハ発動機は10日、アルミ合金の加工に水素ガスを使う実証を2025年に始めると発表した。同社森町工場(静岡県森町)に実証施設を新設し、26年末までに技術開発を完了させる。同社は50年までに二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目標に掲げており、排出量が特に多い鋳造工程の脱炭素を進める。

森町工場では、水素ガスに対応する溶解炉や熱処理炉を備えた施設をつくる。二輪車や船外機などの鋳造部品の製造時におけるアルミ合金の溶解や、部品強度を調整する熱処理加工で水素ガスを用いる技術を開発する。

同社の排出量を示す「スコープ1」のうち55%を鋳造工程が占め、そのうち75%が溶解と熱処理で最も大きい。生産技術本部生産技術部の坪井隆昌グループリーダーは「排出量の最も大きい分野から削減を進める」とした。

実証では水素ガスを安全に使える設備を整えるほか、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を造る装置などの導入も検討する。27年以降に国内外の鋳造工場に実装する。

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