松竹は12日、2025年2月期の連結純利益が前期比16%増の35億円になる見通しだと発表した。54%減の14億円とする従来予想から一転、増益に転じる。政策保有株1銘柄を9月末までに売却し、売却益30億円を特別利益として計上する。映画興行の不振を有価証券の売却で補う形となる。
営業利益は63%減の13億円と、従来予想(36%減の23億円)から10億円下方修正した。売上高も7%増の917億円と従来計画を12億円下回るとした。23年の米ハリウッドのストライキの影響が続き洋画の配給が減った。邦画のヒット作も想定より少なく、子会社が運営する映画館などの利益が当初の見通しを5億円程度下回りそうだ。歌舞伎などの演劇事業も、企業や団体旅行を中心に観劇の需要回復が遅れている。
同日発表した24年3〜5月期の連結決算は、売上高が前年同期比16%減の194億円、最終損益は8800万円の赤字(前年同期は16億円の黒字)だった。前年同期にヒットした映画作品の反動が出た。
「日経電子版 投資・財務・会計」のX(旧Twitter)アカウントをチェック鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。