エネチェンジはEV事業を巡る会計処理問題で、23年末時点では債務超過に陥っていた

ENECHANGE(エネチェンジ)は16日、電気自動車(EV)事業を巡る会計処理問題で提出を延期していた2024年1〜3月期決算を公表した。23年12月末時点では14億円の債務超過に陥っていたが、24年2月に産業革新投資機構(JIC)から約40億円の出資を受けたことで3月末時点では純資産が21億円のプラスになり、債務超過が解消したという。

エネチェンジは9日に提出した23年12月期の有価証券報告書では、新たにEV充電設備の特別目的会社(SPC)を連結範囲に含めたことで債務超過になったと発表していた。24年12月末の純資産がプラスにならなければ東証グロースの上場廃止の恐れがあったが、JICの出資で一息ついた形だ。

エネチェンジは3月にEV事業を巡る会計処理問題が発覚。あずさ監査法人の指摘で外部調査委員会が調査したが、報告書では会計不正はなかったとされた。あずさはこれに反発し、今回の24年1〜3月期の決算をもって監査契約を終了した。

一方、JICの出資は会計処理問題の発覚前の2月に発表され、同月下旬で出資が完了していた。JICが立ち上げたスタートアップ育成ファンドの実質的な第1弾の投資先となる。

エネチェンジの24年1〜3月期の連結売上高は前年同期比27%増の13億円、最終損益は3億7100万円の赤字(前年同期は4億2500万円の赤字)だった。電力・ガス料金比較サイト事業の売り上げなどが好調だった一方で、SPCを連結範囲に含めてEV事業を減損したことなどが赤字の要因となった。

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