大手電力10社の送配電会社で構成する送配電網協議会(東京・千代田)は18日、一部企業で顧客情報をグループ会社の社員が不正に閲覧していた問題を受け、再発防止策を取りまとめた。グループで共用だったシステムを分割するなどの対策を求めるほか、法令順守の進行状況を各社が相互にチェックできる仕組みも新たに設ける。
2022年12月以降、大手電力各社で相次いで不正が発覚した。送配電子会社が管理する新電力の顧客情報や、経済産業省が管理する再生可能エネルギー事業者の情報を小売部門の社員らが不正に閲覧していた。送配電網協議会は法令順守状況を監視する体制や不正閲覧しにくくなるシステムへの改修など具体例をまとめることで、各社の再発防止につなげる。
法令順守の取り組みを定着させるため、各社のコンプライアンス担当の業務内容を他社の担当者が定期的にチェックする仕組みも設ける。リスク管理の方法や社員への研修内容などを確認し、他社の事例を取り入れやすくする。まず24年度内に全10社でチェックを終える計画。今後も定期的にチェックしていく。
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