新光電気工業は19日、2024年3月期の連結純利益が前の期比66%減の186億円になったようだと発表した。従来予想(56%減の240億円)から54億円下方修正した。主力の高性能半導体向け部品「フリップチップタイプパッケージ」の販売が低迷した。新型コロナウイルス禍の反動を受け、同部品が使われるパソコンやサーバーの需要が落ち込んだ。

半導体メモリー向けのプラスチックBGA基板も販売が落ち込んだ。半導体製造装置向けのセラミック静電チャックも、米国による中国への半導体輸出規制の影響を受けて受注が減少した。売上高は27%減の2099億円の見通し。従来予想(20%減の2300億円)から201億円引き下げた。営業利益は68%減の248億円と、従来予想(54%減の350億円)から102億円引き下げた。

24年3月期通期予想を下方修正するのは、23年10月に続いて2回目となる。財務担当者は「半導体市況の低迷が想定より長引き、在庫調整が長期化している」と説明した。

親会社の富士通は新光電気工業を政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)などに売却する方針を示している。24年8月をメドにTOB(株式公開買い付け)を実施する予定だ。

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