車輪の形状を工夫し、月面の砂地でも安定して走れるようにした

月面輸送サービスのispace(アイスペース)は25日にルクセンブルクで開いた説明会で、自社開発の月面探査車を初公開した。今冬に打ち上げ予定の同社の月面着陸船に格納してレゴリス(月の砂)を採取し、砂の画像を米航空宇宙局(NASA)に提供するミッションなどを担う。今後も機能の改良を進め、将来的には複数の探査車で月面環境に関するデータ収集などを手掛ける計画だ。

探査車の名称は「TENACIOUS(テネシアス)」で、全長54センチメートル、幅31.5センチメートル、高さ26センチメートル。重さは約5キログラムだ。今冬に米フロリダ州から打ち上げ予定の米スペースXのロケットにアイスペースの月面着陸船や探査車を載せて宇宙に運ぶ。

月面ではアイスペースのルクセンブルクの管制室から探査車を遠隔操作し、スコップで砂をすくってカメラで撮影する。備え付けの太陽光パネルで最大14日間の走行ができると想定する。車輪の形状を工夫し、月面の砂地でも安定して走れるようにしたという。

アイスペースは2022年に同社初の月面着陸船を打ち上げたものの、着陸直前で失敗に終わった。今冬が月面着陸を目指す2度目の挑戦となる。同社の斉木敦史・最高収益責任者(CRO)は25日の発表会で「今回は100%の成功を目指してしっかりやり抜く」と話した。

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