静岡県長泉町などは利用者が乗り合う「オンデマンド交通」の実証実験を始めた。同町から三島市の一部まで行政区域を越えて運行する。同町のLINE公式アカウントから予約でき8月中は無料とする。本格導入に向けて利用時間や距離などのニーズを探る。移住者の需要も促して相乗りを交流の機会とする。
地域振興などを手掛けるうさぎ企画(長泉町)と取り組む。「SPICE BOX(スパイスボックス)」の名称で10人乗りのワゴン車を月内の午前10時から午後5時まで運行する。JR三島駅周辺から下土狩駅周辺の約3キロメートル圏内で駅や商業施設、子育て支援施設など40カ所の停留所を設けた。
前日から当日の10分前まで予約でき、指定した停留所間を直接移動できる。AI(人工知能)を用いて導き出したルートにより相乗りが可能だ。県の補助金も活用した。
自家用車を持たない首都圏からの移住者や30〜40代のファミリー層を主な対象とする。一部停留所でヨガ教室や映像講座、ビジネス相談といった交流イベントも開き関係人口を呼び込む。
町内は循環バスが走るが最短距離でないため時間がかかり本数も少ない。うさぎ企画の森田創代表は「移住者など車を持たない人の移動の足をつくることでもっと気軽にまちの魅力に触れてもらえる」と話す。同社のオンデマンド交通の実証実験は静岡県の東伊豆町と焼津市に続き3カ所目。
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