日本たばこ産業(JT)は2日、2024年12月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比2%減の4750億円になる見通しだと発表した。従来予想から200億円上方修正した。フィリピンをはじめ海外で紙巻きたばこの値上げが浸透している。円安も寄与し、減益幅が縮小する。年間配当(194円)は従来計画を据え置いた。

売上高にあたる売上収益は9%増の3兆1090億円、営業利益は2%減の6600億円と従来予想からそれぞれ930億円、120億円上振れする。主力のたばこ事業の調整後営業利益は1%増の7550億円と300億円引き上げた。減益予想から一転、増益になる。値上げが利益を押し上げ、加熱式たばこの展開国・地域拡大に向けた投資費用を吸収する。

海外売上高比率が高く、円安も収益を押し上げる。たばこ事業での為替の減益要因は350億円と50億円縮小する。足元では円安の修正が進む。中野恵副社長は同日の決算説明会で「円高は我々の業績に換算上のネガティブになる。円以外の様々な通貨の動向も影響を与えており、為替の影響を十分注視して対応したい」と語った。

加熱式たばこの成長も収益の上振れ要因になった。加熱式たばこの最大市場である日本での「プルーム・エックス」の販売数量は1〜6月で前年同期に比べ36%増との市場の拡大ペースを上回って推移する。

同日発表した24年1〜6月期の連結決算は、売上収益が前年同期比13%増の1兆5698億円、純利益が6%増の3051億円だった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。