2025年国際博覧会(大阪・関西万博)に日本政府が出展するパビリオン「日本館」の建設費用が、合計で約143億9200万円になる見通しになった。建物自体の工事費として76億7800万円を見込んでいたのに加え、内装、電気設備、機械設備の工事などに67億1400万円を投じる。運営費や解体費用も含めた総額を360億円に抑える方針は維持する。
発注元の国土交通省近畿地方整備局が8月上旬に清水建設との契約内容を変更した。25年2月末の完成を目指す。建設資材や人件費の高騰などを踏まえて、当初3階建てを想定していた設計は2階建てに変更してコストの上振れを抑える。
建設費用を巡っては23年1月の入札公告では予定価格内での応札がなく、同年7月に清水建設との随意契約に切り替えた経緯がある。76億7800万円の契約額は当初想定から約9億円上振れした。
今回は、これまで定まっていなかった内装や電気設備工事などの費用を追加した。政府関係者は「想定していた契約変更だ」と説明する。
日本館のテーマは「いのちと、いのちの、あいだに」。「木の板」が円を描くように並ぶ外観が特徴で、万博終了後には建築物の資材などとして再利用されることを前提に、解体や転用をしやすいように建設する計画だ。
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