群馬県の山本一太知事㊨と高崎市の富岡賢治市長は「シリコンバレーを超える街」づくりの基本構想を発表した(22日、群馬県庁)

群馬県の山本一太知事と高崎市の富岡賢治市長は22日、同市郊外の旧陸軍・堤ケ岡飛行場跡地(約93ヘクタール)にIT(情報技術)企業・機関などを集めてつくる「シリコンバレーを超える街」の基本構想を発表した。宅地や教育・研究施設も整備する。当初予定の通り2028年度から用地買収や造成工事に着手したい考えだ。

基本構想は「8つのビジョン」と「まちづくりの6つの方針」からなる。ITを活用した映像コンテンツやゲーム、ロボティクス、物流など7分野で企業や起業家を誘致する。コンパクトで居心地の良い街並みや自動運転車なども活用した次世代交通網を整える。再生可能エネルギーを街全体で融通し合う仕組み作りも進める。

旧陸軍・堤ケ岡飛行場(前橋飛行場)の跡地はイオンモール高崎の南東に広がり、多くが農地となっている(群馬県高崎市)

開発に伴い高崎市内の農地が約63ヘクタール減る見通し。このため市は21〜23年度に再生した約34ヘクタールと合わせて約100ヘクタールの荒廃農地を確保。減少分を上回る面積の農地を再生して国など関係機関の理解を得たい考えだ。

同日の共同記者会見で富岡市長は「高崎で育って勉強し、高崎で結婚して子どもを育てる。若い人が良い職を見つけ、そういうサイクルをつくれるようにしたい」と述べた。山本知事は「全力でサポートしたい」と話した。

23年3月に県と市が計画を発表。共同戦略会議を設け、基本構想の策定を進めてきた。今後、国など関係機関との調整や環境影響評価を進める。

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