新組織には東京大学大学院の江崎浩教授(左下)らが参加する(2日、東京都千代田区)

NTTコミュニケーションズ(コム)は2日、人工知能(AI)や先端技術を使って社会問題を解決する「スマートシティー」の実現に向け議論する組織を発足させたと発表した。外部有識者らを集め、現実のオフィス空間を仮想空間で再現する「デジタルツイン」や、オフィスや商業施設でのロボットの活用を検討する。ビルの管理・運営の省人化につなげる。

新組織には東京大学大学院の江崎浩教授や竹中工務店の担当者などの有識者20人が参加する。月に2回程度の勉強会を開くほか、大型複合ビルなど実際の環境下で実験を実施する。NTTが開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」なども活用し、ビル内の様々な設備をインターネットで連携させデータを利活用する「スマートビル」の実現を目指す。

デジタルツイン空間に実際のビル内の室温や人流などを再現する。ビルの管理者は人数に合わせてデジタルサイネージ(電子掲示板)の内容を変えて飲食店への来訪を促すなど、仮想空間上で可視化された情報を生かす。

ロボットの活用では専用のソフトウエアを利用する。エレベーターやロボットと連携させることで、複数のフロアをまたいだ無人配送などが可能になる。ロボットによる館内の清掃代行にも活用が見込まれる。

NTTコムはこれまでにも東京ミッドタウン八重洲(東京・中央)などでスマートビルの開発に取り組んできた。スマートシティ推進室の塚本広樹室長は「今後は産官学で連携し、スマートビルの実装を加速させたい」と話す。

あらかじめ指定したフロアに人を案内するロボット(2日、東京都千代田区)

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