栃木県を中心にバスを運行する関東自動車(宇都宮市)は、宇都宮市内を走る一部路線バスで運賃の支払いを原則交通系ICカードのみとする試験運行を11月から始める。キャッシュレス決済の普及を受け、現金収受や両替による運転手の負担や運行遅れの解消に向けて完全キャッシュレス化の実現可能性を探る。

2025年2月までJR宇都宮駅東口エリアを走る主要7系統で実施する。期間中の運賃支払いは原則Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)、totra(トトラ)などのみで応じる。運賃箱はカバーで覆い、交通系ICカードのない乗客には車内でトトラを販売する。

関東自動車のバスでは足元で運賃支払いの88%がキャッシュレスという。同社は交通系ICカードを使えば400円を超す料金はとらない上限運賃制を設ける。JR宇都宮駅東口を発着する次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)」との間でトトラ限定の乗り継ぎ割引も実施し、キャッシュレス化を促す。

今回の試験対象はいずれもライトライン沿線を走り、キャッシュレス率が高い路線を選んだ。結果を踏まえて運賃箱の廃止を含む完全キャッシュレス化や他路線への導入の可否を判断する。

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