ANAホールディングスは2025年3月期の業績は増収減益を見込む

ANAホールディングスは26日、2025年3月期の連結純利益が前期比30%減の1100億円になる見通しだと発表した。航空各社が日本発着便を増やすため、座席の需給が緩み、客単価が下がる。新型コロナウイルス禍で抑えていた機材整備費の増加なども響く。

売上高は7%増の2兆1900億円で過去最高となる。欧州路線を中心に増便してインバウンド(訪日外国人)需要や日本発のビジネス客を取り込む。営業利益は18%減の1700億円の見通しで、新型コロナウイルス禍前の19年3月期(1650億円)は上回る。増便に伴い運航費用が膨らむほか、空港使用料減免などの縮小、抑制していた機材整備費増などが計1719億円増加する。

25年3月期の為替レートの前提は1ドル=140円、ドバイ原油価格は1バレル=80ドルを見込む。為替や国内線分の燃油はヘッジしており、業績への影響を抑える。

芝田浩二社長は26日の決算会見で「心地よい為替水準は1ドル=125円。アウトバウンド(海外旅行客)にとっても適しているし、訪日客にも魅力的」との見解を明らかにし「もう少し円高の方が日本全体にとっては良いのではないか」と話した。

同日発表した24年3月期の連結決算は売上高が20%増の2兆559億円だった。純利益が76%増の1570億円で過去最高だった。旺盛な訪日客需要や国内の観光需要に支えられた。

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