東邦ガスがスタートアップと提携して生産する「宙炭」は農業の脱炭素化に貢献する(9日、愛知県豊橋市)

東邦ガスは9日、土壌環境の改良に使う「バイオ炭」生産プラントの開所式を愛知県豊橋市で開いた。同社が出資するスタートアップ、TOWING(トーイング、名古屋市)と共同でバイオマスを原料としたバイオ炭の量産に向けた検証を始める。化学肥料を使わず農業の脱炭素化を後押しする。

東邦ガスは非エネルギー事業の強化の一環として、農業分野でスタートアップとの協業を進める。東邦ガスなどが愛知県豊橋市に試作プラントを建設した。投資額は非公表。

プラントの生産能力はもみ殻を原料とした場合で月10トンを見込む。プラントではバイオ炭の量産プラントの製造に向けた試験も実施する。トーイングとともに量産プラントを全国展開する方針で、2028年度で15基の設置を目指す。

東邦ガスとトーイングが手掛けるバイオ炭「宙炭(そらたん)」は農業向けに使われる。農業で使われる炭は水はけを良くするなどの目的で使われるが、リンなどの栄養素がないため石化原料由来の化学肥料との併用が必要だった。

宙炭は有機肥料の分解を速める微生物を含むため、化学肥料を必要とせず農業の脱炭素化につながるとされる。

宙炭は名古屋大学発のスタートアップであるトーイングが開発した。トーイングは愛知県や静岡県の農家向けに宙炭を供給している。出資者である東邦ガスと提携し量産に乗り出す。

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