米インターブランドがまとめたブランド価値に関するランキングで12年連続で首位となった米アップル

ブランドコンサルティング大手の米インターブランドは10日、グローバルに展開する企業が保有するブランド価値を算出した2024年版のランキングを公表した。首位は12年連続で「アップル」だったが、ブランド価値は前年比3%減と、12年ぶりにマイナスとなった。マクドナルドが3年ぶりにトップ10以内に返り咲いたほか、自動車ブランドは成長と停滞の二極化が進んだ。

調査は本社所在地などの主要地域以外の売上高比率が30%を超える企業が提供するブランドを対象に実施した。今後5年ほどで見込まれる利益などを基に、ブランドが果たす役割の大きさを金額換算した。販売価格が異なることから、品目によって係数に幅を設けている。

首位のアップルのブランド価値は4889億ドルで、23年の5026億ドルから3%減少した。マイナスとなるのは02年以来。生成AIに取り組む企業が相次ぐ中、導入スピードが他社より遅いなど足元の評価が響いたとみられる。

インターブランドジャパンの並木将仁社長は「足元で生成AIで稼ぐ力が低く評価されており、(ブランド価値の)確実性は減退している」という。ただ、「ブランドの強度で考えると、開発への姿勢自体は中長期的にはポジティブに捉えられるのでは」(並木社長)との見方を示した。

伸び率ではフェラーリが前年比21%増と、100ブランドの中で最も大きかった。ファッションなどライフスタイル関連の発信が増えており、「生活者目線でブランドの価値を拡張している」(同)ことが評価につながった。

自動車ではほかに「トヨタ」が13%増だったほか、「キア」(15%増)や「ヒュンダイ」(13%増)、「ニッサン」(10%増)も2ケタ成長だった。一方、「テスラ」(9%減)や「メルセデス・ベンツ」(4%減)、「フォード」(3%減)は価値が減少した。「テスラ」のブランド力が突出していたが平準化し、日韓ブランドの強さがあらわれる形となった。

上位100社のブランド価値の合計は3兆4261億ドルで前年比約5%増だった。2ケタ増が続いていたが、昨年から2年連続で1ケタ増にとどまっている。新型コロナウイルス禍で米IT大手が手掛けるテクノロジーブランドが大きく伸ばしたが、足元では爆発的な伸びをみせたブランドがあまりなかったという。減少率ではインテルが30%減と上位ブランドの中で最も大きく減少した。

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