冬のエアコン節電術=パナソニックの発表資料より

 政府の電気代補助が10月使用分でいったん終了見込みとなる中、気になるのが到来間近となった暖房シーズンの電気代だ。

 パナソニックが9月に実施した調査で、今夏について「昨年と比べた電気代の変化」を聞くと、「増えた」は58%、「あまり変わらない」は23%、「減った」は5%だった。記録的な猛暑でエアコンをフル稼働した人が多かったと見られ、電気代補助があっても約6割が電気代が増えたとしている。

 電気代がかさむ中で今冬、懸念されるのがエアコンの使用控えだ。「利用を我慢しようと思うか」を尋ねると、「強く思う」(18%)、「やや思う」(35%)が合わせて半数を超えた。

 そのうえ冬場は、「冷やすよりも暖めるほうが電力を消費するため、暖房運転のほうが消費電力が多く、電気代が高い傾向」(パナソニック)にあるという。調査では「冷暖房のどちらが電気代が高いと思うか」との質問に「暖房」と正しく答えた人は39%にとどまり、「冷房」(35%)と答えるなど計61%が実態を知らなかった。

 夏場以上に効果的な節電をするためのポイントは何か。パナソニックのエアーマイスター、福田風子さんによると、最も効果的なのが、エアコンのこまめな掃除だという。掃除機などを使ったフィルター掃除を2週間に1回することを勧める。1年間フィルター掃除をしない場合、余計な負荷がかかって暖房時に約25%の無駄な電力を消費するという。

 また設定温度を上げすぎないこともポイントだといい、目安は20度。設定温度を1度下げると、消費電力を約10%削減できる。暖房時の温度を22度以上に設定している人が約8割を占めていることから、多くの人に節電の余地がありそうだ。

 ほかには、風量は「自動」設定▽窓の遮熱対策▽サーキュレーターの併用▽室外機周りの掃除――が効果的としている。

 また、短時間の外出でエアコンを「つけっぱなし」にするのがよいのか「止める」のがよいのかという悩みにも答えている。

 福田さんは、外出が30分以内なら「つけっぱなし」がよいとした。外出が30分以上になる場合は、外気温3度が分かれ目だ。3度より低い場合は、いったん止めてしまうと設定温度まで戻すのに多くの電力が必要になることから「つけっぱなし」が経済的としている。

 調査はパナソニック「エオリア」が9月、エアコンを利用する全国20~60代の男女548人を対象にインターネットで実施した。【嶋田夕子】

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