福祉スタートアップのヘラルボニー(盛岡市)は2025年2月、老舗百貨店の川徳(同)に旗艦店を開く。両社は事業資金調達のため25日からクラウドファンディングを始めた。苦戦が続く地方百貨店だが、川徳は地元のアート企業と組んで文化発信に注力し、生き残りを図る。
店名は「ISAIPARK」。ヘラルボニーのミッション「異彩を、放て。」から名付けた。売り場面積は220平方メートル。商品販売のほか、カフェやダイニング、作家の作品を展示するギャラリーを併設する。
5月まで川徳1階で営業していたヘラルボニー常設店の5倍に広げ、旗艦店としてリニューアルオープンする。
百貨店内からだけでなく、外からも出入りできるよう建物の外側に出入り口を新設し、川徳の閉店時間中も営業できるようにする。
ヘラルボニーの松田文登共同最高経営責任者(Co-CEO)は「盛岡の新しい玄関口を作る取り組み」と語った。川徳の荒道泰之社長は「誰にでも開かれたサードプレイス(第3の場所)。障害のイメージを変える」と意義を強調した。
クラウドファンディングを手掛けるREADY FOR(レディーフォー、東京・千代田)のサイトで25年1月23日まで受け付ける。目標額は1000万円で、改装費の一部に充てる。
荒道社長はこうした手法での資金調達について「全国や世界に(取り組みを)発信したいため。百貨店は単に物を売る場所ではない。文化を発信することが一番大切」と話す。松田Co-CEOは「いろんな人が集う場所にしたい」と意気込みを述べた。
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