総務省はメタバース(仮想空間)を安全に利用できる環境を整えるため、事業者が守るべき理念や対策をまとめた基本原則を公表した。サービス内での誹謗(ひぼう)中傷や権利侵害を防ぐ体制整備を求める。
メタバースでは利用者がアバター(分身)を作り3次元の仮想空間上を自由に動き回る。現実の社会のように他の利用者と会話やゲームができる。近年は教育や建設など新しい分野でも活用が進む一方で、アバターの権利侵害や利用者同士の名誉毀損などが課題になっている。
原則では提供事業者に不正行為や罰則を定めた規約を作り、空間上での誹謗中傷や名誉毀損を防ぐ対策を求める。通報窓口を設けるなど利用者間のトラブルに対処する仕組み作りを促す、アバターを巡る知的財産権の保護にも言及した。事業者には基本原則に沿った自主的な対応を促す。
独調査会社のスタティスタによると、メタバースの世界市場規模は22年の461億ドル(約7兆円)から、30年には10倍超の5078億ドルに拡大する見通しだ。
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