コマツが発表した3D施工機能を搭載した新たな油圧ショベル(27日、千葉市)

コマツは27日、12月1日から新型の油圧ショベルを販売すると発表した。運転席の付属モニターにショベルの位置や姿勢などをリアルタイムで3次元(3D)表示するシステムを標準搭載した。図面データと照らし合わせながら掘削する位置を判断しやすくなり、現場の業務効率化につながる。

新型の油圧ショベルは土木工事で使われる20トンクラスで、価格は3150万円とした。国内の年間販売目標は1000台。2025年から米欧やオーストラリアでも販売を始める。

ショベルと掘削現場を3D化し、施工の一部を自動化する機能も搭載する。経験の浅い作業員でも図面通りに施工がしやすくなる。従来機に比べて燃費効率を20%向上させた。

土木や建設の現場では人手不足が深刻になっている。国土交通省はICT(情報通信技術)を活用した業務効率化を推進する。25年度には公共工事の一部で、ICTを使った施工が原則化される。

コマツは地方や中小規模の土木現場でICT導入が進んでいないとみる。システムの利用価格や設定方法の複雑さなどが課題とされている。今回の新型の油圧ショベルに3Dの機能を標準搭載することにより、ICTの普及を急ぐ。

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