英国裁判所が再生計画を認可したマダガスカルのニッケル生産施設

住友商事は28日、マダガスカルのニッケル鉱山事業会社の再生計画が英国の裁判所に認可されたと発表した。金融機関に対し、融資など債権の一部または全てを免除するよう命じる内容を含む。度重なる操業停止やニッケル市況の低迷で悪化している財務を改善する取り組みの一環で、12月上旬に手続きが完了する見込みだ。

英国のリストラクチャリングプラン(RP)に基づき、債務上の窮地などの条件に当てはまると判断したとみらる。英国裁判所は認可にあたって三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行などの債権者側の代理人弁護士に聴取している。

住商は2025年3月期の連結業績に与える影響は精査中としている。債権免除後も住商は事業会社を通じてニッケルの生産を継続する方針だ。

住商はニッケル事業会社の株式の54.17%を持つ筆頭株主。度重なる生産プラントの不具合で生産停止が相次ぎ、24年3月期には簿価をほぼ全損させ約890億円の減損を計上していた。9月にはパイプラインが破損し、液状のニッケル鉱石が生産プラントの敷地外に流出するトラブルも起きていた。

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