中国による日本産水産物禁輸の影響でホタテやナマコ輸出が落ち込んだ(23年6月、北海道猿払村)

北海道がまとめた2023年の道内港からの食品輸出額は788億円となり、22年比で20%減った。東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出で中国が日本産水産物の輸入を禁止した影響を受け、食品輸出の大半を占めたホタテなど水産物・水産加工品が低調だった。

水産物・水産加工品の輸出は633億円となり24%減った。ホタテは28%減の442億円、ナマコは15%減の67億円と落ち込んだ。農畜産物・農畜産加工品も54億円となり、13%減少した。ナガイモなどは伸びたものの、ミルク・クリームが8億7000万円と41%減となった。その他加工品は99億円で7%増えた。菓子類は41億円で9%減ったが、水・清涼飲料水は17億円と2.1倍に増えた。

水産物の輸出減により、地域別では中国・台湾・香港・韓国エリアが508億円と31%減少した。一方で東南アジア諸国連合(ASEAN)は10%増の114億円となった。ホタテやサケ・マス、菓子類が伸びた。欧米はホタテなどが増加し10%増の160億円になった。

北海道は、道外港からの輸出を加えた食品輸出額を23年までに1500億円まで増やす目標を掲げていた。好調なホタテ輸出を背景に22年の輸出額は1767億円となり、目標を前倒しで達成した。ただ水産物輸出が急減したため、23年も1500億円を超えるかは不透明だ。

道は24〜28年にかけて食品の高付加価値化や輸出先・品目の多角化などを輸出戦略としてまとめているが、目標数値は検討中として明らかにしていない。

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