三菱マヒンドラ農機(松江市)は有機米の産地づくりを推進するため、島根県大田市と提携した。雑草の除草作業を減らせる同社の田植え機の活用を軸に、有機米を効率的に栽培できる技術の確立を目指す。有機米の生産を増やし地域ブランドに育てたい大田市と組み、持続可能な地域農業のモデルをつくる。

有機栽培では農薬や除草剤を使わず、雑草の除草作業が負担となる。三菱マヒンドラの「紙マルチ田植機」は水田に紙を自動で敷き、その上から苗を植える。紙が日光を遮り雑草の繁殖を抑えるため、田植えから40〜50日程度は除草が不要だ。紙は溶けて有機肥料になる。

紙マルチ田植機を大田市三瓶地区の5つの農業法人向けに無償貸与し、使用方法などを指導する。栽培地域の拡大や田植機の購入にも期待する。三菱マヒンドラの斎藤徹社長は1日の協定締結式で「有機米は成長市場。環境にやさしく、稼げる農業に向けサポートしたい」と述べた。

政府の「みどりの食料システム戦略」では化学農薬などの使用量を抑え、2050年までに有機農業を耕地面積の25%まで増やす目標を掲げる。紙マルチ田植機は同戦略にもとづく国の認定を受けている。

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