三菱電機は新型宇宙ステーションの主要部を公開した(10日、神奈川県鎌倉市)

三菱電機は10日、新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)に使用する主要部を初めて公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と開発契約を結び、三菱電機がセンサーや駆動機器などを搭載した巨大なモジュールを手がける。2024年度中にも種子島宇宙センター(鹿児島県)へ出荷する。

三菱電機は宇宙空間での飛行に欠かせない「サービスモジュール」と呼ばれる主要部を開発し、このほど完成した。実機のサービスモジュールの長さは5.2メートルにのぼり、重さは3.7トン。表面は太陽の熱に耐えられる断熱シートなどで覆われ、軌道変更や制御を実施する機器「スラスタ」、センサーやアンテナも搭載する。

同日開いた記者会見で、三菱電機宇宙インフラシステム部・HTV-Xプロジェクトサブ統括の蒲原信治氏は「推進装置の位置を工夫して前回のモジュールと比べて小型化できた」と話した。

HTV-Xは宇宙ステーション補給機「こうのとり」の後継機にあたり、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける役割を果たす。HTV-Xの1号機についてJAXAは25年度の打ち上げを予定し、2号機や3号機にも三菱電機のサービスモジュールが搭載される。同社は今後、商用の宇宙ステーションでの利用も目指す。

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