前の期の好調の反動でゲーム事業が減益だった

KADOKAWAが9日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比10%減の113億だった。アクションRPGゲーム「ELDEN RING(エルデンリング)」が前の期にヒットした反動でゲーム事業が減益だったほか、主力の出版事業ではデジタル製造工場への投資などがかさんだ。

売上高は1%増の2581億円、営業利益は29%減の184億円だった。事業別では出版・IP(知的財産)事業が営業利益ベースで21%減、ゲーム事業が同44%減となったが、アニメ・実写映像事業は好調で2.1倍の45億円になった。ゲームやグッズなどのライセンス収入が好調だったほか、「わたしの幸せな結婚」「首」など自社原作の実写映像化が奏功した。

中長期の成長に向け、編集者を現状の1割増の700人以上にするなど採用活動も進める。 直近では出版・IPでの海外事業も拡大する。23〜24年で欧州や東南アジアなど海外5拠点で新拠点を設立しており、これらをバネに海外事業を拡大する。9日の記者会見に出席した夏野剛社長は「海外進出を加速する」と話した。

25年3月期の連結売上高は前期比5%増の2713億円、営業利益は11%減の165億円を見込む。ゲーム事業は営業減益となるが、メディアミックスに注力している出版・IP事業が営業増益になると見ている。

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