NTNはEV向けのベアリング開発も強化する

ベアリング(軸受け)大手のNTNは14日、2025年3月期の連結純利益が前期比53%減の50億円になる見通しだと発表した。主力の自動車向け販売は好調を維持するが、収益性の低い工場の再編など構造改革を急ぎ、関連費用を計上することから、5期ぶりの最終減益になる。

売上高は3%増の8600億円、営業利益は14%増の320億円を見込む。配当予想は年11円(前期は10円)。

同日、オンライン会見を開いた鵜飼英一社長は具体的な構造改革について「工場の再編や設備の稼働停止などを計画している」と説明した。

電気自動車(EV)の生産の伸びは欧米で踊り場にさしかかっているが、中長期的には成長軌道を維持するとみている。EV化に焦点を当てたベアリング開発も強化する。一連の取り組みで収益性を高め、自己資本利益率(ROE)を24年3月期の4%から8%に高める考えを示した。

構造改革の詳細は5月31日に公表する中期経営計画に盛り込む。

同日発表した24年3月期の連結決算は、売上高が前の期比8%増の8362億円、純利益が2%増の105億円だった。建設機械や農業機械向けは落ち込んだが、自動車の生産が本格回復したことを受けて営業利益が前年を大幅に上回った。

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