中国を訪問しているドイツのショルツ首相は14日、重慶に到着し、ドイツの大企業の生産拠点を視察しました。15日は上海を訪れ、北京に移動し、16日に習近平国家主席や李強首相と会談する予定です。
訪問に先立ちドイツ政府の高官は、ショルツ首相と習主席との会談では、ロシアによるウクライナ侵攻への対応が主要な議題になるとし、ロシアに侵攻をやめさせるため積極的な対応を求めるとの見通しを示しました。
また、一連の会談では、ドイツにとって最大の貿易相手国である中国との経済関係についても話し合われるということです。
ドイツ政府は中国への経済面での過度な依存の解消を掲げていますが、大企業には中国との関係を重視する意見が根強く、ショルツ首相にとってはバランスをどう保つかが課題となっています。
一方、習主席はことし春にフランスを訪問するとフランス側が発表していて、中国としてはドイツやフランスといったヨーロッパの主要国との関係を強化することで、安全保障や経済などをめぐって対立するアメリカをけん制するねらいがあるとみられます。
和平案めぐる協議も議題になる見通し
ウクライナは、ロシア軍の撤退や領土の回復など10項目からなる和平案を提唱していて、スイス政府はこれに関して各国の首脳などが参加するハイレベル協議をことし6月に中部のビュルゲンシュトックで開催すると発表しています。
ドイツ政府の高官が記者団に明らかにしたところによりますと、ショルツ首相は中国側との会談で、この協議についても取り上げる見通しだということです。
ドイツ政府の報道官によりますと、ショルツ首相は13日に行われたウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談でこの協議に多くの国が参加するよう取り組む考えを示したということで、習主席などとこの協議への参加を巡って意見を交わす可能性もあります。
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