カンボジアと中国の合同軍事演習「ゴールデンドラゴン」が30日まで、カンボジア南西部のリアム海軍基地などを拠点に行われている。この基地には昨年12月から中国海軍の艦船2隻が停泊し続けていることが明らかになり、米国などが警戒している。

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 合同演習は5月16~30日の日程で、計約2千人と中国艦3隻を含む艦船14隻などが参加。過去最大規模だという。

 現地紙プノンペン・ポストによると、カンボジア軍幹部は27日、「軍事能力や関係強化、経験の共有が目的で、特定の国を威嚇するためではない」と説明した。

 リアム海軍基地をめぐっては、拡張整備を中国が支援する見返りに軍事利用する「密約」疑惑が浮上している。南シナ海に開かれたタイ湾の入り口にある軍事的要衝に位置し、南シナ海や台湾の問題で中国と対立する米国が牽制(けんせい)を続けてきた。

 米戦略国際問題研究所傘下の「アジア海洋透明性イニシアチブ」は4月、衛星写真を元にした分析を発表。リアムに新設された桟橋に、中国海軍の艦船が昨年12月から4カ月以上、停泊し続けていると指摘した。

 新たな埠頭(ふとう)や乾(かん)ドックの建設も確認され、大型船の保守・修理が可能になるとしている。

 通常、外国艦船の寄港を受け入れるのはリアム近くのシアヌークビル港で、今年2月に日本の海上自衛隊の護衛艦と練習艦が寄港したのも同港だった。(バンコク=大部俊哉)

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