【ワシントン=芦塚智子】バイデン米大統領の次男ハンター氏が銃を不法に購入・所持したとされる事件の公判が3日、東部デラウェア州の連邦地裁で始まった。米メディアによると現職大統領の子供が刑事裁判の被告人となるのは初めて。11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏の痛手となる可能性がある。
起訴状によると、ハンター氏は2018年10月、薬物を使用していたのに使用していないと虚偽申告をして銃を購入し、薬物使用中に銃を所持していた罪に問われている。ハンター氏の捜査を担当するデビッド・ワイス特別検察官の要請を受けて大陪審が23年9月に起訴した。ハンター氏は無罪を主張している。
米メディアによるとバイデン氏は声明を発表した。大統領として裁判についてはコメントできないとしたうえで「父親として息子に無限の愛を抱いており、彼を信頼している」と支援の姿勢を示した。ジル大統領夫人は法廷に出向いた。
裁判は約2週間続く見通し。ハンター氏は別に税務不正の罪でも起訴されており、大統領選の約2カ月前の9月に西部カリフォルニア州で裁判が始まる予定だ。
大統領選で民主党のバイデン氏と再対決する共和党のトランプ前大統領は、5月30日に不倫の口止め料の不正処理を巡る裁判で有罪評決を受けた。共和は、民主の攻撃をかわす材料としてハンター氏の裁判を利用するとみられる。司法の大統領選への関わりがさらに拡大している。
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