ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザでオーストラリアに渡った人の、職探しが難航するケースが相次いでいる。

 5月中旬、第3の都市ブリスベンにある公園を訪ねると、地元のボランティア団体「コミュニティー・フレンズ」が実施する無償の食料配布に約200人の行列ができていた。

 団体が念頭に置く、食料の配布対象者はホームレスや障害がある人たちだが、最近はワーホリビザなどで滞在する外国人の姿が増えている。

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 責任者のジミー・ファハムさん(79)は「南米や中国、フランスやイタリア出身の人もいる。最近は日本人が増えて、全体の3割くらいになった」と話す。

 友人と4人で並んでいた台湾出身の女性は、お金を稼ぐためにワーホリビザでやってきた。女性は「工場かファーム(農場)で働きたいけれど、仕事がない」と肩を落とす。

 埼玉県出身の20代の男性は「生活に困っているのは確かだけど、もともと自分は(配布の)対象じゃない。申し訳ない気持ちもあるけれど、ありがたい」と話す。

 公園には、団体の活動を手伝う日本人の姿もあった。千葉県出身の大学生の女性(22)は「(食料配布が)口コミで広がり、日本人がどんどん増えている」と話す。

 女性もワーホリビザで渡航し、職探しに苦労した一人だ。「生活に困るほどお金がなかったとき、助けてもらった。恩返ししたい」と感謝する。

 無料の食料は、同団体が近くのスーパーから消費期限が迫る商品の提供を受けるほか、足りなければ自腹で購入して用意している。

 主催者のジミーさんは、「少しでも若い人の力になりたい。母国に帰った後、ここでのことを思い出して、同じように外国人に優しくしてあげてほしい」と願う。

 日本ワーキング・ホリデー協会によると、2023年ごろから、渡航後に現地で「仕事が見つからない」という相談を受けることが増えたという。(ブリスベン=半田尚子)

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