【NQNニューヨーク=戸部実華】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比243ドル60セント高の4万1198ドル08セント(速報値)で終えた。3日連続で最高値を更新した。米国の利下げ観測を背景に出遅れ銘柄への資金シフトが続いた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄に買いが入ったことも、ダウ平均を支えた。半面、対中規制強化への懸念や台湾情勢を巡る不透明感から半導体株を中心にハイテク銘柄が売られ、相場の重荷となった。
市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始めるとの観測が高まっている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは17日、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はFRBによる利下げが今後数カ月で正当化される可能性があるとの考えを示したと伝えた。過去3カ月の物価指標は「我々が求めていたインフレ鈍化のトレンドに近づいた」ことを示したと述べた。
米経済の腰折れを避けてFRBが利下げに転じるとの見方が広がり、これまで相対的に出遅れ感のあった銘柄に資金が流入しやすくなっている。ダウ平均の構成銘柄では17日朝に市場予想を上回る2024年4〜6月期決算を発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)への買いが目立つ。前日に決算を好感した買いを集めていたユナイテッドヘルス・グループへの買いも続いた。
半面、半導体関連株への売りが目立った。米ブルームバーグ通信は16日、バイデン政権が東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、最も厳しい貿易制限措置をとることを検討していると同盟国に伝えたと報じた。
これとは別に、トランプ前大統領はブルームバーグ通信のインタビューで「台湾は米国に防衛費を支払うべきだ」と主張。台湾情勢を巡る先行き不透明感から半導体業界への悪影響が懸念された。
出遅れ銘柄が買われる半面、半導体以外でも過熱感が意識されていた大型ハイテク株に売りが出やすくなっている。アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトが下げ、ダウ平均の重荷となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに大幅に反落し、前日比512.415ポイント(2.76%)安の1万7996.925(速報値)で終えた。下落率は22年12月以来の大きさとなった。エヌビディアなど半導体関連株が軒並み売られた。
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