【パリ=北松円香】フランスで18日、国民議会(下院、577)が開会した。6月末から7月上旬にかけて実施された総選挙後初めての議会だった。議員の投票により、マクロン大統領が率いる与党に所属するヤエル・ブロンピベ下院議長の続投が決まった。
左派と与党、極右の三勢力がほぼ拮抗した状況での初めての投票だったため、下院で法案審議のかじ取りを担う議長の人事が注目されていた。選出は難航し、3回目の投票でやっと220票を得たブロンピベ氏の続投が確定した。
議長選出は秘密投票だが、中道右派の共和党が最終的に与党に同調したとみられる。左派連合の新人民戦線(NFP)が推したアンドレ・シャセーヌ氏の得票は3回目投票で207票で、ブロンピベ氏にわずかに届かなかった。
選挙後の議席数はどの政党も過半数に届かず、第1党がNFP、第2勢力が与党連合、3番手が極右の国民連合(RN)とその共闘勢力となっている。今回の下院議長選出で、最大議席を得たはずの左派が今後の議会で苦戦する可能性が示唆された。
下院議長選出の投票は最大3回実施される。最初の2回の投票では絶対過半数を得た候補者がいればその時点で選出が確定する。3回目の投票に至った場合は最多数の票を得た候補が議長に就任する。
下院議長は大統領と首相、上院議長に次ぐ権力を持つ。ブロンピベ氏は選出後、議員に向けて「あなた方一人ひとりと働くことを約束する」と述べた。
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