ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=川上純平】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比191ドル28セント高の4万1034ドル07セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測に加え、決算を発表した一部ハイテク株の大幅高が投資家心理を支えている。半面、米景気減速への懸念も根強く、主力株への買い一巡後にダウ平均は下げに転じた。

FRBのパウエル議長は前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で次回の9月会合で利下げに転じる可能性を示した。1日発表の週間の米新規失業保険申請件数が24万9000件とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(23万5000件)を上回った。

4〜6月期の米労働生産性(速報値)は、企業の賃金負担を示す単位労働コストが前期比年率で0.9%上昇し、市場予想(1.7%上昇)を下回った。いずれも市場の利下げ観測を強める内容で、投資家心理の改善につながった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズが大幅に上昇している。前日夕発表の2024年4〜6月期決算が市場予想を上回った。同時に示した24年7〜9月期の業績見通しも堅調で、米株相場を下支えしている。

もっとも、米株相場は上値の重さも意識されている。ダウ平均は7月17日に付けた最高値(4万1198ドル)に接近している。高値警戒感から主力株には利益確定の売りも出やすい。米サプライマネジメント協会(ISM)が8月1日発表した7月の製造業景況感指数は市場予想を下回った。米景気が市場の想定以上に減速していることへの警戒から株売りが出始め、ダウ平均は下落に転じた。

ダウ平均の構成銘柄ではハイテク株への買いが目立ち、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースが上昇している。半面、ボーイングやシェブロンには売りが出ている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。