演説するイラン革命防衛隊のサラミ司令官(5日、テヘラン)=ロイター

【テヘラン=共同】イラン革命防衛隊の報道官は20日、首都テヘランで起きたイスラム組織ハマス前最高指導者の暗殺への対応でイスラエルに宣言した報復攻撃に関し「性急な行動はしない。待つ期間は長いかもしれない」と述べた。攻撃を急がず、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとハマスの停戦交渉を注視する意向を示唆した。国営テレビが報じた。

停戦交渉の仲介役、米国やカタール、エジプトは実際に報復があれば交渉が破綻すると懸念。イランをけん制しながら今週の合意を目指している。バイデン米大統領は記者団に「ハマスが手を引いていると報告を受けた」と述べた。「まだどうなるか分からない」とも語り、合意へ努力を続けると強調した。

ブリンケン米国務長官は、ハマスの拠点があるカタールの首都ドーハを訪問した。停戦に向けた米国の新提案に反発し、駆け引きを続けるハマスとの落としどころをカタール通じて探る構えだ。

ハマス前最高指導者のハニヤ氏は7月31日、革命防衛隊が厳重に警備するテヘランの施設で暗殺され、イランはイスラエルの仕業だとみている。

革命防衛隊の報道官は報復に関し「過去の作戦の繰り返しではないかもしれない」と強調し、イスラエルに神経戦を仕掛けた。イランは4月にイスラエルを弾道ミサイルや無人機などで大規模に攻撃した。

中東メディアによると、イスラエルのネタニヤフ首相はガザ・エジプト境界でのイスラエル軍残留を主張。ハマスは軍のガザ完全撤収を要求しており、双方の立場の隔たりは小さくない。

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