原鉄道模型博物館所蔵の模型を原寸大に再現した飲食施設が香港に登場

世界的に知られる鉄道愛好家の原信太郎氏(1919〜2014年)が制作した鉄道模型が原寸大に復元され、香港の繁華街・尖沙咀(チムサーチョイ)の飲食施設にこのほどお目見えした。同氏の制作した鉄道模型や収蔵品を展示する原鉄道模型博物館(横浜市)にある車両2両を基にした。

原氏の長男で同博物館館長の原丈人氏によると、現地の外食企業を含む複数の企業体が運営しているという。

原鉄道模型博物館で展示中の箱根登山鉄道の車両模型

復元したのは、信太郎氏が制作した現在の箱根登山鉄道と阪神電気鉄道の車両模型。大正時代のレトロな車両で、車内は日本食レストランやカフェとした。「車窓部分には富士山を映し出し、日本の風景を楽しんでもらえるようにする」(丈人館長)という。日本の鉄道の切符やアニメ関連の商品も販売する予定だ。

原鉄道模型博物館は12年7月に開館した。信太郎氏が制作し、兵庫県芦屋市の自宅に保管していた鉄道模型の一部を集めた。新路線の開業時に発売された「一番切符」や国内外で撮影した鉄道写真なども展示され、模型が走る大規模なジオラマも人気がある。

原鉄道模型博物館で展示中の阪神電気鉄道の車両の模型

信太郎氏のコレクションは世界的に評価が高く、1990年代には丈人氏のもとに米国で展示したいという依頼があった。中国・上海の博物館も展示を打診してきたが、「海外へ運ぶと父の貴重なコレクションが紛失したり壊れたりする恐れがある」(丈人館長)として見送ってきた経緯がある。今回の取り組みなら模型を搬出しなくて済む。

一方、原鉄道模型博物館は17年に台湾の軽便鉄道展を開くなど、海外との結びつきも重視している。近年は訪日客の来館もあるという。丈人館長は「日本の人にも香港に誕生した飲食施設に足を運んでもらい、私にとって父や母のように大切な2両の車両を見ていただきたい」と話している。(小山隆司)

原鉄道模型博物館のジオラマは多くの人をくぎ付けにする(横浜市)
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