トランプ前大統領は不倫の口止め料をめぐって帳簿などの業務記録を改ざんした罪に問われ、ことし5月、アメリカの大統領経験者としては初めてとなる有罪の評決がニューヨーク州の裁判所で下されました。

量刑は7月に言い渡される予定でしたが、連邦最高裁判所が2021年1月のアメリカ議会乱入事件をめぐって「大統領在任中の公務としての行動は免責される」という判断を示したことを受けて、いったん延期されました。

その上で、量刑の言い渡しを今月18日に行うかどうか、改めて判断するとしていましたが、6日、担当の裁判官は検察側と弁護側にあてた書面で、言い渡しを再度延期し、大統領選挙後の11月26日に行うと伝えました。

理由について、裁判官は大統領選挙に影響を与えようとしているといった見方を避けるためだと説明しています。

大統領選挙が2か月後に迫る中、量刑しだいでは選挙活動に制限が出る可能性もあっただけに、これまで言い渡しの延期を要請していたトランプ氏側にとって大きな成果と受け止められています。

トランプ氏「選挙妨害目的の攻撃に過ぎず」

アメリカのトランプ前大統領は6日、南部ノースカロライナ州で演説し「私は何も悪いことをしておらず、事件がなかったことにみんなが気づき、魔女狩りが延期された。これは私の政敵やハリス氏などによる選挙妨害を目的とした攻撃に過ぎない。そもそも扱われるべき事件ではなかった。この国の歴史上最も重要な選挙を控えていて、この事件は当然、ただちに終結されるべきだ」と述べました。

別の女性との民事裁判 評決を不服として上訴

一方、トランプ前大統領は6日、別の女性との間の民事裁判で下された500万ドル日本円にして7億円あまりの損害賠償を命じる評決を不服として、ニューヨークの裁判所に出廷して上訴しました。

この裁判では元コラムニストの女性が、1990年代にニューヨークの高級デパートでトランプ氏から性的暴行を受けたなどとして訴えていました。

裁判所の前ではプラカードを手にした女性の支援者が「法の上に立つ者はいない。トランプ氏も法の上ではない」などと声をあげていました。

トランプ氏は記者会見で「この女性のことはまったく知らない。これは政治的な魔女狩りだ」と主張しました。

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