取材に応じるアビバさん=8月、イスラエル中部テルアビブ(共同)

 昨年10月、イスラム組織ハマスによる奇襲攻撃で人質となり、約1カ月半後に解放されたアビバ・シーゲルさん(63)が取材に応じ「人質全員を取り戻すにはハマスと交渉するしかない」とイスラエル政府に停戦交渉の早期妥結を求めた。7日で奇襲から11カ月。今も拘束中の夫キースさん(65)ら人質を解放するよう、街頭デモや米政府関係者との面会で訴える。  アビバさんはガザに近いキブツ(集団農場)、クファルアザで奇襲され、夫と共にガザに拉致された。拘束下の51日間、地下トンネルや住宅などを計13回移動した。  解放されると知ったのは突然だった。夫と離れる際、口を突いたのは別れのあいさつではなく「お互い強くいようね」。その言葉が今もアビバさん自身を支えている。  アビバさんは米国籍を持つ夫のため、ブリンケン国務長官ら米政府当局者と面会を重ね、イスラエルに交渉妥結を促すよう訴える。ハマスが拉致した人質二百数十人のうち約100人がいまだ拘束中。「夫もほかの人質も、想像できないようなひどい状況にいる。全員を救出しなければならない」


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