イスラエル軍はイスラム組織ハマスの4個大隊を壊滅させたと主張した=ロイター

【カイロ=時事】パレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの作戦を指揮するイスラエル軍幹部は12日、ラファを拠点とするイスラム組織ハマスの4個大隊を「すべて壊滅させた」と述べた。イスラエルのメディアが報じた。ラファ市街地を完全に掌握したとも表明。昨年10月から続く対ハマス軍事作戦は、一つの節目を迎えた。

軍はラファについて、ハマスの「最後のとりで」と位置付け、掃討作戦を展開してきた。同幹部によると、これまでの作戦で2300人以上のハマス戦闘員を殺害した。

イスラエルは既に、ラファ郊外に位置する対エジプト境界地帯「フィラデルフィ回廊」も掌握。ネタニヤフ首相はハマスの武器調達ルートになっているとして、同回廊への軍駐留継続を主張し、停戦交渉で大きな対立点となっている。

軍幹部は、ラファで総延長13キロ以上のトンネルも破壊したと指摘。境界地帯で発見した計203本のトンネルのうちエジプトに通じていたのは9本だけで、いずれも軍の到着前に封鎖されていたという。

トンネルが封鎖されていれば武器密輸は困難で、政府内などで軍の撤退を求める声が高まる可能性がある。トンネル破壊完了後、軍がラファでの活動をどうするかは明らかでない。

ロイター通信によると、ネタニヤフ氏は12日、停戦交渉が停滞している現状について「ハマスは、自分たちが人質解放に反対している事実を隠そうとしている」と強調。交渉妥結に向け、ハマスにさらなる圧力をかけるべきだと訴えた。

一方、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日、X(旧ツイッター)への投稿で、ガザで10歳未満の子供を対象に実施してきたポリオ(小児まひ)のワクチン接種は「成功した」と強調した。テドロス氏は、56万人以上が1回目の接種を終えたと説明。「停戦すれば何が達成できるか想像してほしい」と即時停戦を改めて呼び掛けた。

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