ロシアのプーチン大統領は軍の兵員を増員する大統領令に署名した(12日、サンクトペテルブルク)=ロイター

ロシア大統領府は16日、プーチン大統領が軍人を最大150万人に増やす大統領令に署名したと発表した。従来より最大18万人、約14%の増員となる。ロシアはウクライナ東部ドネツク州などで攻勢を強めるほかロシア西部クルスク州に越境攻撃を続けるウクライナ軍への対応を迫られており、ウクライナ侵略の長期化に備える狙いとみられる。

大統領令の発効日は12月1日。プーチン氏は23年12月にも軍人を最大132万人に増やす大統領令に署名した。

ロシア軍の総員は、ウクライナのクリミア半島を一方的に併合した後の16年に、従来比で1割強減の100万人規模となった。その後は微増にとどまっていたが、ウクライナ侵略開始後の23年1月に115万人とするなど増加基調が続いている。

ウクライナ侵略後、ロシアは22年9月に部分動員令を発令し、30万人超を招集した。発令後には招集を回避しようとするロシア国民の出国が相次いだ。

ロシア軍は足元では志願兵である契約軍人を増やして兵士不足を補っている。ロシア国防省などは強制的な動員を実施しない考えを示している。

ロシア軍はウクライナ東部のドネツク州で攻勢を強める一方、ロシア領内の西部クルスク州ではウクライナ軍の掃討作戦も展開しており、前線の兵士不足への対応が焦点になっている。

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